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朝日スポーツキッズ 2018年1月新春号の1面話題
朝日スポーツキッズが選んだ
2017ベストアスリート
2017ベストアスリート
朝日スポーツキッズは毎年、東葛地域のキッズアスリートの中から活躍が顕著だった5人を選び、記念のメダルを贈っている。2017年のベストアスリート5が決まった。栄光をたたえてメダルを贈呈するとともに、今後の抱負などを聞いた。
ハッサン・ナワール さん 松戸市立 第五中学校 1年・みちるアスリートクラブ
全日本中学校陸上競技選手権
200m優勝、100m2位
日本女子陸上短距離界に現れた期待の新星。この年代では世界クラスの逸材と話題になっている。
ガーナ出身の両親の長女として、日本で生まれ育った。本格的に陸上を始めたのは小学6年から。5年の時に出場した松戸市の大会で、6位に終わったのが「すごく悔しかった」。友だちの勧めもあって地元のクラブチームに加入した。週3回、約2時間の練習を積んでいる。
昨年8月の全日本中学校陸上競技選手権。1年生ながら200mで優勝、100mは2位と衝撃的なデビューを飾った。200mの準決勝でマークした24秒59は中学1年歴代最高。この種目での1年生優勝は初の快挙だった。
さらに、10月の千葉県中学校新人陸上競技大会では100mで11秒98の中学1年歴代最高、県中学記録を樹立して優勝。その後のジュニア五輪陸上でもC100mで優勝した。
身長は166cm。「この1年で6~7cm伸びた」という。体も記録も伸び盛りの13歳。フォームは粗削りだが、大きなストライドでしなやかにトラックを駆け抜ける。
明るい性格で、友だちからは「ナワちゃん」の愛称で呼ばれる人気者。「目標は」と尋ねたときだけ、表情が引き締まった。「2020年の東京オリンピックに出たいです」。高校1年、16歳での五輪出場は「夢」ではなく、「目標」だ。
古市 一翔くん 野田市立 清水台小学校 6年・野田レスリングクラブ所属
全国少年少女レスリング選手権
男子6年生50kg級を制す
昨夏、北九州市立総合体育館で行われた「第34回全国少年少女レスリング選手権大会」で、野田市立清水台小学校6年の古市一翔(野田レスリングクラブ所属)くんが男子50㎏級で優勝した。5年生の時の大会では45㎏級で優勝している。
小学2年のころから野田レスリングクラブに所属し、4年生の弟、1年生の妹とともに、兄弟でレスリングをしているというスポーツ3兄弟の長男だ。3兄弟で、地元のわんぱく相撲大会にも参加している。一翔くんは、ここで大関の成績を残している。口調は穏やかだが積極的な性格だ。レスリングを始めたきっかけは、相撲の活動で知り合った友人がレスリングもやっていると聞き、もっと強くなりたいと思い体験してみたところ、おもしろくなって始めたという。
今は、週1回クラブでの練習のほか、出稽古も含め毎週5、6日は練習というレスリング漬けだが、苦にならないという。練習は、タックルや打ち込みに力を入れ、技を磨いている。得意の攻めは、タックルに入ってから素早い後ろ回りで海老固めにし、フォールに持ち込むスタイルだ。
「もっと練習をして、中学、高校と勝ち続けてオリンピックを目指したい」と語る一翔くんの夢は、自身への期待と希望に向かって大きく膨らんでいる。
工藤 爽士くん 柏市立 酒井根西小学校 3年
全日本格斗打撃選手権 空手(組手)
小学3年男子の部全国制覇
第11回全日本格斗打撃選手権(空手)が昨年5月、久喜市総合体育館(埼玉県)で行われ、組手・小学3年男子の部で柏市立酒井根西小3年の工藤爽士くんが優勝した。昨年の大会も2年生の部で栄冠を掴み、連覇を達成した。
年長の頃に同級生が空手道場に通っていることを知り「自分も強くなりたい」との気持ちで、自ら進んで空手道に入門。自宅近くの道場(清心館)で週3回、稽古に明け暮れる日々だ。
1年生の時に初めて出た大会では、1回戦で負け悔し涙を見せたが「強くなろう」と心に決めたという。努力を重ね、メキメキ上達。2年生で全国大会初優勝。連覇を狙った昨年は、得意の回し蹴りも決まり、順調に決勝に進み、大きくポイントをリードして頂点に立った。今大会でも試合のアドバイスを与えた道場の先生は「おめでとう。次の大会もがんばろう」と早くも次回大会へ向け激励。
同学年では敵無しという現在、稽古の相手は高学年。突きの受けが苦手だと話す工藤君は、稽古に励み、苦手克服のため日々技を磨いている。将来は「オリンピックに出場し、金メダルを獲りたい」と意欲満々だ。
小田 優くん 柏市立大津ケ丘中学校1年
全日本ジュニアカート選手権 FP-Jr部門
東西統一戦で優勝
1.264kmのコースを12周走って競う全日本ジュニアカート選手権の最終戦(東西統一戦)が昨年の10月、鈴鹿サーキット(三重県)で行われ、2位に約12秒の大差をつけ優勝した。
シーズン6戦で争うこの大会は、5戦目までは東と西地区に分かれて行われ、最終戦が東西統一戦となり、真の日本一を目指すレースとなる。
総合ポイントは、調子が上がらなかったため、5位で終えた小田くん。決勝レースの日に台風が近づいていたので、「予選レースで優勝が決まるから飛ばしていけ」と父親からのアドバイスで奮起。パワー全開で臨んだ予選レースがそのまま最終結果となって優勝を掴んだ。
予選レース1位のゴールフラッグが振られると「予選なのに思わずガッツポーズが出てしまいそうでした」「今シーズンは納得のいくレースができていなかったので、嬉しかったです」とレースを振り返る。
乗り物好きで、4歳の頃からカートを始めた小田くん。大会前は週2回、ツインリンクもてぎ(栃木県)で練習に励む。「まずは、カートチャンピオンになって、将来はF1レーサーになりたいです」と今後の活躍を誓った。
山上 永悟くん 流山市立 八木北小学校 3年
全日本BMX選手権大会
7〜8歳男子の部優勝
第34回全日本BMX選手権大会が昨年7月、日本サイクルスポーツセンター(静岡県)で行われ、男子7~8歳の部で初優勝の栄冠を掴んだ。
BMXレースは、自転車競技の一種。起伏やカーブが続く難コースを走り、技術力やスピードを競う。追い越しが得意で、準決勝のゴール直前ではジャンプパフォーマンスを披露するなど、勇猛果敢だ。今大会は予選から絶好調で「自分の得意なコースだったから勝てた」と大会を振り返る。
2歳からキックバイク(ペダル無し二輪車)に乗り始め、大会にも出場。自転車もすぐに乗れるようになり、5歳からBMXに挑戦。週末は父親の送迎でひたちなか海浜公園などへ遠征し、自主練習に励む日々。クラブチームに所属しておらず、練習場でレベルの高いライダーに自ら話しかけ、教えを請うという。
120cmと小柄な身長からは想像できないほど高い身体能力を持ち、学校のマラソン大会も学年1位。水泳、ボルダリング、ゴルフ、将棋など様々なことに取り組み、好奇心も旺盛だ。その中でもやはりBMXは特別で、昨夏、アメリカで開催された世界選手権大会に日本代表として戦った経験もあり、「将来はオリンピックで金メダルを獲り、アメリカのトップカテゴリーで活躍したい」と意気込みを語った。