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朝日スポーツキッズ 2020年新春号の1面話題

朝日スポーツキッズが選んだ
2019ベストアスリート

2019ベストアスリート

朝日スポーツキッズは毎年、東葛地域のキッズアスリートの中から活躍が顕著だった5人を選び、記念のメダルを贈っている。2019年のベストアスリート5が決まった。栄光をたたえてメダルを贈呈するとともに、今後の抱負などを聞いた。



ハッサン・ナワールさん(松戸市立第五中学校3年)

ハッサン・ナワール

全日本中学校陸上競技選手権大会
女子100m、200m二冠

日本女子短距離界の次代のエース候補が、中学生最後のシーズンを華々しい活躍で締めくくった。
全日本中学校陸上(8月21~24日、大阪市)女子200m決勝で、中学女子歴代2位の24秒21をマークして優勝。この種目では史上初の3連覇を達成した。1年生から2年続けて2位だった100mも11秒94で圧勝し、二冠に輝いた。
全中200mの3連覇とともに、中学時代の「最終的な目標」と位置づけていたのが中学記録の更新。台風19号の影響で、3日間の予定が1日目のみの開催となったジュニア五輪(10月11日、川崎市)が、最後の挑戦の舞台となった。
中学3年生と高校1年生が競った女子A200m決勝で、従来の記録を0秒13更新する23秒99の中学新記録を樹立して優勝。1週間前に出場した茨城国体の疲れが残り、万全な状態ではなかったが、死力を尽くして結果を出した。
記録が伸び悩んだ時期もある。期待の重さに押しつぶされそうになったこともある。試練を一つひとつ乗り越え、学年別の歴代最高記録を次々に塗り替えてきた。100mは1年(11秒98)と2年(11秒88)、200mは1年(24秒59)と3年(23秒99)の歴代最高記録を持つ。
ガーナ人の両親の長女で、弟と妹がいる。今後、日本国籍を取得して五輪出場を目指す。「日の丸をつけて表彰台に立つのが夢」だ。東京五輪には間に合わなかったが、聖火ランナーに選ばれた。7月4日、生まれ育った松戸を走る。



チュクネレ・ジョエル優人くん(松戸市立小金中学校3年)

チュクネレ・ジョエル優人

全日本中学校陸上競技選手権大会
男子走り高跳び優勝

ハッサン・ナワールさんと並ぶ日本陸上界の次代のスター候補だ。今季、急成長し、全国一になるなど目覚ましい活躍を見せた。
2mジャンパーの仲間入りをしたのは7月下旬の県中学校総体。1m91の自己ベストを11cmも上回る2m02の大会新で優勝した。続く関東中学校陸上も2m02の大会新で制覇。8月下旬の全日本中学校陸上は1m96で制した。さらに9月1日の松戸市選手権では2m03の大会新で優勝し、自己ベストを1cm更新した。
陸上を始めたのは小学5年。部活で挑戦した種目の中で、最も記録がよかった走り高跳びを選んだ。そのころはベリーロールで跳んでいたが、中学生から背面跳びに変えた。助走は9歩。左脚で踏み切る。
身長180cm。1年生のときから24cm伸びた。「頑張って記録を伸ばし、オリンピックでは金メダルを取りたい」。夢ではない。目標だ。
男子走り高跳びの日本記録(2m35)保持者、戸邉直人選手は野田市立第二中学校の卒業生。3年生のときに全中で優勝し、やがて日本のトップアスリートに成長した。「いつかは越えたい存在」という。
ナイジェリア人の父、日本人の母の長男として日本で生まれ育った。姉と妹がいる。明るく、人なつこい性格で、クラスメートからも「ジョジョ」と愛称で呼ばれる人気者だ。



佐藤海斗くん(柏市立酒井根西小学校6年・リヴィンクローバー所属)

佐藤海斗くん

全日本級別サーフィン選手権大会
BBメンズ 3〜5級優勝

「第37回全日本級別サーフィン選手権大会」(日本サーフィン連盟主催・鴨川市東条海岸)のBB(ボディーボード)メンズ3~5級部門で大人に交じって見事、優勝した。
小学生の参加は珍しく、中でもこの部門は佐藤君以外全て大人。大人に負けず「優勝できる自信はあった」と挑んだ大会で、しっかり波を味方につけた。
練習は学校が休みの日、寒い冬の間も早朝と夕方にそれぞれ2時間の練習を欠かさない。「波に乗れればいける」と猛練習で力をつけ、自信がみなぎっている。「練習した甲斐があった。うれしい」と大会を振り返って喜んだ。
家族と海水浴へ行って初めてボディーボードを体験したのは1年生の時で、すぐに夢中になった。波のトンネルをくぐり抜けるチューブライディングの豪快な映像を見て「これをやりたい」と、3年生から本格的に練習を始めた。海辺への送迎やビデオ係など、全力でサポートする母の未生さんは、「日々の成長が目に見えるので楽しいです」とにっこり。応援してくれる家族や、所属するBBショップの期待に応えるように目標は「ワールドチャンピオンになる」だ。



木村美海さん(我孫子市立第二小学校6年・パラエストラ柏所属)

木村美海さん

全国レスリング大会女子
「春夏秋」3冠

格闘技の名門、パラエストラ柏道場から、全国大会3冠を達成した次世代のレスリング界最強候補が誕生した。
6年生女子の部には、4つの全国大会がある。春の「ジュニアクイーンズカップ」、夏の「全国少年少女レスリング選手権大会」、秋の「全日本女子オープンレスリング選手権大会」、冬の「全国少年少女選手権」だ。春夏秋の大会を制覇した木村さんは、来月行われる冬の選手権でのグランドスラムを目指し、正月休み返上で週4日の練習に打ち込んでいる。
夏の大会は、3年生からの4連覇。「練習にしっかり取り組めていたので、大会は自信があった」と優勝を振り返る。おっとりとした話し方からは、想像できない強さを持つ。
父親がレスリングの経験者ということで兄(高校1年)、姉(中学3年)もレスリングに打ち込んでいる。母親と一緒に兄姉の練習を見学するうちに「兄、姉が楽しそうに見えました」と4歳からレスリングを始めた。小3の夏、優勝者が集まるエリートキャンプから取り組む姿勢が変わったという。「オリンピックで金メダルを取りたい」と意欲満々だ。



坂本慎太郎くん(野田市立中央小学校6年・松戸柏リトルリーグ)

坂本慎太郎くん

WBSC Uー12ワールドカップ
侍ジャパンU−12代表 準優勝に貢献

世界野球ソフトボール連盟(WBSC)の「第5回WBSC Uー12ワールドカップ」(7月26日~8月4日、台湾・台南市)に出場し、投打で活躍した。
1年おきに開催される同大会には、世界12の国と地域が参加した。仁志敏久監督率いる侍ジャパンUー12代表は、決勝でチャイニーズ・タイペイに敗れて準優勝。初優勝は逃したが、第2回大会の3位を上回る過去最高成績だった。
慎太郎君の野球に対する情熱やセンスのよさが仁志監督の目にとまり、レギュラーの座をつかんだ。大会通算の打撃成績は13打数6安打7打点、打率4割6分2厘。投手としては3試合に登板し、3回3分の1を投げて被安打2、自責点1、7奪三振という投球内容だった。
2歳から父三男さんとボール遊びをしていた。野球の出発点だ。幼稚園年少から地元の軟式野球チームに所属。小4で硬式野球に転向した。「中学からの硬式野球に早く慣れておきたかったから」という。
2017年6月のこと。毎週欠かさず練習を見に来てくれていた母、雪子さんが見学中に突然倒れ、その日のうちに帰らぬ人となった。55歳だった。「この子の活躍を一番喜んでいるのは妻かもしれません」と三男さん。慎太郎君は亡き母にこう誓う。「甲子園に出場し、かならずプロ野球選手になるから」と。



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