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朝日スポーツキッズ 2020年10月の話題
野球 秋季大会 各市で熱戦
コロナ禍で中止になった第36回少年野球千葉県選手権大会の代替大会が、11月1日から開催されることが決まった。各市秋季大会の優勝チームなど32チームが頂点を目指す。6年生にとっては朗報だ。
柏 豊上 兄弟対決制す
5年生チームを投打で圧倒
第46回柏市少年野球秋季大会(千葉ロッテマリーンズ柏後援会旗争奪)は9月21日、同市の柏ビレッジで決勝があった。豊上ジュニアーズが同チームの5年生で編成した豊上ヤングジュニアーズを8―0(六回コールド)で破り、4年ぶり5度目の優勝を果たした。3位決定戦は新柏ツインズがトライスターを5―2で下した。
▶決勝
豊上ジュニアーズ | 0-0-0-2-0-6 | 8 |
---|---|---|
豊上ヤングジュニアーズ | 0-0-0-0-0-0 | 0 |
⚾…昨年に続いて豊上の兄弟対決となり、代表チームがコールド勝ちした。このチームは5年生だった昨年、決勝で全国大会3位の代表チームを破る金星をあげている。豊上の代表チームを2度、全国大会に導いた高野範哉監督が「チーム史上最強。全国でもトップ レベル」と評価する実力を存分に見せつけた。
荒井優聖君が六回に放った2点本塁打はすさまじかった。2球目を芯でとらえた打球はライトフェンスを越え、道路向こうの民家の庭に飛び込んだ。この球場で右翼フェンス越えの本塁打は初という。5年生から代表チームの4番にすわる主砲の一発で打線に火がつき、この回7安打を集中して6点をもぎ取った。
投手陣では左腕エース石井翔君の抜群の安定感が目を引いた。今大会は全4試合に先発し、計14イニングを投げて無失点。この試合の二回2死後、五年生チームの森岡隼和君に安打を許すまでノーヒットピッチングを続けていた。
5年生チームにとっては来年度の戦いを占う大事な試合。代表チームの底力に屈したが、高野監督は前を向く。「鍛えれば、全国大会を狙えるチームになると思います」。自らを奮い立たせるように言った。
松 戸 野菊野 涙の逆転V
好敵手常盤平の連覇阻む
第45回松戸市少年軟式野球連盟秋季大会(J:COM旗、市長旗争奪)は9月20日、同市の紙敷球場で決勝があり、野菊野ファイターズが常盤平ボーイズを7―5で破り、4年ぶり3度目の優勝を果たした。3位は小金原ビクトリーと五香メッツだった。
▶決勝
野菊野ファイターズ | 2-0-0-0-0-1-4 | 7 |
---|---|---|
常盤平ボーイズ | 0-0-4-0-0-1-0 | 5 |
⚾…野菊野は2点を追う七回、2四球と安打で1死満塁。佐藤奏太君のタイムリーで1点差とし、なおも満塁の好機に3番宮尾日色君が走者一掃の三塁打を放ち、2点を勝ち越した。
宮尾君は初回に先制の三塁打。連覇を狙う常盤平に逆転を許し、2点を追いかける六回にも三塁打で出塁し、1点を返すきっかけをつくった。三塁打3本で4打点。打のヒーローは逆転の一打を「どんな球でもくらいついていこうと思いました」と振り返った。
野菊野に激震が走ったのは9月18日。市内英語教室の従業員が新型コロナウイルスに感染し、教室に通っていた児童が濃厚接触者と判断された。市立小学校7校を臨時休校とする対応策がとられ、当該小学校の選手7人が決勝に出場できなくなったのだ。いずれも6年生で、うち6人はレギュラーだった。
5年生中心のチーム編成を余儀なくされながら、それでも勝った。喜びはひとしおだ。主将で捕手、4番打者としてチームを引っ張った山口瑛大君は「7人に優勝メダルを持ち帰りたい、絶対に負けられない、と思いました」。
島田善弘監督も喜びを隠さない。「勝負は最後までわからない。子どもたちの無限の可能性を感じた試合でした」。そう話す目が涙でぬれていた。
流 山 東深井 投打かみ合う
準V八木南 終盤力尽きる
第88回流山市少年野球秋季大会は9月19日、同市のおおたかの森スポーツフィールド少年野球場で決勝があり、東深井ボーイズが八木南クラブを8―1(五回コールド)で破り、6年ぶり2度目の優勝を果たした。3位決定戦は江戸川台フェニックスが流山シャークスを4―1で下した。
▶決勝
八木南クラブ | 0-0-1-0-0 | 1 |
---|---|---|
東深井ボーイズ | 1-1-2-0-4X | 8 |
⚾…東深井の攻撃はそつがない。初回は死球の先頭打者が二盗、送りバントで三塁に進み、青木想汰君のタイムリーで先制。二回は無死一、三塁からスクイズで1点を追加した。
勝敗を分けたのは三回の攻防だ。八木南の反撃にあい1点差とされた東深井はその裏、四死球からチャンスを広げ、青木君の犠牲フライと佐々木幸祐君のタイムリーで突き放した。
五回には松下寛大朗君の2点適時打などで一挙4点。7点差がつき、攻撃途中でコールド勝ちした。
先発の野左根光星君は4回1失点。藤原崇監督は「序盤のピンチをよく切り抜けてくれた」と話し、こう続けた。「昨年の新人戦で優勝し、東葛選手権も楽しみにしていた。中止になったのは残念だが、子どもたちには未来がある。東深井ボーイズで野球に取り組んだことを誇りに、次のステージで輝いてほしい」
八木南は今大会、持てる力をフルに発揮して決勝に勝ち上がった。創部29年目での初優勝はならなかったが、蔵谷信一郎監督は「6年生が2人だけというチーム事情を考えたら、よく頑張ったと思います」と選手をねぎらった。