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朝日スポーツキッズ 2021年5月の話題
レスリング日本代表 松戸市出身 須﨑優衣選手
勇気と感動届けたい
松戸市出身の須﨑優衣選手(21)=早稲田大4年=が、東京五輪レスリング女子50㌔級の日本代表に内定した。「長くて厳しい道のりでしたが、ようやくスタートラインに立つことができました。金メダルを取って、支えてくれた人たちに恩返しがしたい」。須﨑選手は感謝を胸に夢舞台へと向かう。
「東京五輪で金メダル」中2で決意
須﨑選手は4月、カザフスタンで開かれたアジア予選で優勝し、初の五輪代表に内定した。その報告のため5月13日、市役所に本郷谷健次市長を表敬訪問。コロナの収束が見通せないなか、「もし開催されるなら金メダルを獲得して、多くの人に勇気と感動を届けたい」と抱負を語った。
レスリングを始めたのは小学1年。早稲田大レスリング部出身の父、康弘さんがコーチを務める松戸ジュニアレスリングクラブで基本を学んだ。全国大会で3度、優勝している。
中学2年のときに、有望な中高生選手を集めて育成する日本オリンピック委員会(JOC)エリートアカデミーに入校。親元を離れ寮生活を始める。この年9月、東京での五輪開催が決定。「絶対に出場して金メダルを取る」と決意し、練習に打ち込んだ。
負けず嫌いの性格を表すエピソードがある。高校1年で出場した全日本選手権決勝で、7歳上の入江ゆき選手に0―10のテクニカルフォール負けを喫したときだ。準優勝の賞状を部屋の天井に貼り、気持ちを奮い立たせたという。
2017年の世界選手権に高校3年で初出場、初優勝の快挙を成し遂げる。翌18年の世界選手権で連覇を果たし、五輪代表に大きく近づいたかにみえた。
「長く厳しい道のり」の先に夢舞台
19年7月の世界選手権代表決定戦で、ライバルの入江選手に敗れる。須﨑選手が「人生で一番のどん底を味わった」と振り返る痛恨の1戦だ。入江選手が世界選手権で3位以内に入れば五輪代表に内定する。
五輪出場がほぼ絶望的となり、「レスリングをやめることも考えた」と須﨑さん。吉村祥子コーチらに励まされ、「0・01%の可能性があるなら頑張ってみよう」と思い直した。
入江選手が世界選手権でメダルを逃す予想外の結末となり、代表争いは白紙に戻る。同12月の全日本選手権決勝で今度は入江選手を2―1で下し、アジア予選出場を決めた。
試練はまだあった。20年3月に中国で開催予定だったアジア予選はコロナの影響で中止になり、東京五輪も1年延期になった。試合ができない期間が長く続いたが、「この1年をプラスにしよう」と前向きにとらえ、筋力トレーニングなどに取り組んだ。
2位以内に入れば代表に内定するアジア予選で、須﨑選手は4試合すべて無失点のテクニカルフォール勝ち。追い求めてきた五輪切符を手にした。
レスリングが千葉市の幕張メッセで開かれることについて、須﨑選手は「運命を感じている。活躍する姿を見てもらいたい」。女子50㌔級は閉会式前日の8月7日が決勝だ。「日本に金メダルをもたらし、東京五輪を最高の形で締めくくりたい」と笑顔を見せた。
聖火トーチ巡回展示
東京オリンピック・パラリンピックの聖火リレーで使用するトーチが、あす6月21日から東葛地域の各市で1日ずつ展示される。聖火リレーと大会の機運を盛り上げようと県が企画。4月1日に県庁をスタートし、3カ月かけて県内市町村を巡回してきた。
トーチはいずれも高さ71㌢のアルミニウム製で、重さ1・2㌔。上から見た断面が桜の花びらの形をしている。色は五輪用が「桜ゴールド」、パラリンピック用が「桜ピンク」。素材の一部は、東日本大震災の仮設住宅のアルミ建築廃材を再利用した。台座は県産杉を使用。東京オリパラ大会公式マスコット「ミライトワ」「ソメイティ」のぬいぐるみも展示される。
点火セレモニーに変更
7月1~3日に予定されている東京五輪の聖火リレーについて、県は新型コロナウイルスの感染を拡大させる恐れがあるとして、全区間でリレーを取りやめることを決めた。代わりに各日の到着地となっている山武、千葉、松戸3市の式典会場で、走る予定だった聖火ランナーが参加して、無観客での点火セレモニーが行われる。
■巡回展示の日程■
6月21日 柏 セブンパークアリオ柏1F特設会場
6月22日 野田 野田市役所
6月23日 我孫子 生涯学習センター「アビスタ」
6月24日 流山 キッコーマンアリーナ
6月25日 松戸 松戸市役所