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朝日スポーツキッズ 2023年1月の話題

朝日スポーツキッズが選んだ
2022ベストアスリート3

2022ベストアスリート3

朝日スポーツキッズは、東葛地域の小中学生アスリートから年間優秀選手3人を選出し、表彰している。2022年の「ベストアスリート3」が決まった。記念のメダルを贈って栄光をたたえるとともに、今後の抱負などを聞いた。



石井 琉之介さん(15) 我孫子市立布佐中学校3年

石井 琉之介さん

近代二種・三種世界選手権 二種U17個人
4位近代三種日本選手権兼ジュニア五輪カップ 優勝

昨年10月、ポルトガルのマデイラ島で開催された近代二種・三種の世界選手権大会に17歳以下の日本代表として出場し、二種個人で4位に入賞した。
 二種はランニングと水泳のタイムを競う。これに射撃を加えたのが三種だ。オリンピック競技の近代五種の登竜門とされる。
 二種個人は、ラン1・2㌔、水泳200㍍、ラン1・2㌔の計2・6㌔。砂浜を走り、波のある海で泳ぐ過酷なレースだった。全力を尽くしたが、メダルには届かなかった。
 小学校低学年から6年生まで、陸上のクラブチームに所属した。水泳歴はもっと長い。生後半年ぐらいからスイミング教室に通っていた。母かほりさん(44)の勧めもあり、5年生のときに初めて近代三種の大会に出場。「楽しかった。続けてみたい」と思った。
 国内トップクラスの選手に成長し、中学2年で世界選手権の日本代表入り(コロナ禍で派遣中止)。昨年10月の近代三種日本選手権兼ジュニアオリンピックカップを制覇した。
 陸上でも県中学校総体の男子3000㍍を制し、全国大会には1500㍍で出場。県中学校駅伝では1区区間賞を獲得した。
 高校進学後も「二刀流」でいく。目標は「オリンピックで活躍したい」。陸上長距離か、それとも近代五種か。「近代五種に進むことになればお金がかかるので、家族と相談して決めたい」。足元をしっかりと見つめている。
 父剛介さん(57)は「進むべき道を本人が決めてくれたらうれしい」。わが子へ送るエールでもある。



田中 拓進さん(15)松戸市立第二中学校3年

田中 拓進さん

全国中学生フェンシング選手権
男子フルーレ 優勝

昨年7月の第8回全国中学生フェンシング選手権大会男子フルーレで優勝し、173選手の頂点に立った。小学生時代からしのぎを削ってきたライバルと準決勝で対戦。15点先取の試合で14―14からポイントを奪った。決勝は15―9で制した。
 フェンシングを始めたのは小学2年。おもちゃの剣で遊ぶ姿を見て、父健二さん(47)が勧めた。4年生でフランスに遠征し、本場のフェンシングに肌で触れた。翌年のフランス遠征では現地の大会で優勝し、話題になった。
 国内でも4年時に全国大会で優勝し、5・6年の部で2年続けて準優勝するなど、早くから才能が開花。東京五輪の千葉県聖火ランナーにも選ばれた。
 「剣をしならせて相手の背中を突く『振り込み』を3、4年生から練習し、得意技にしたことが大きかった。背中は守れないから」
 競技経験がない健二さんは独学で技術を習得し、練習相手になった。競技に打ち込める環境づくりにも着手。2019年に「isco fencing club」を設立し、空き倉庫を改修して練習場を完成させた。
 中学生になると、状況が一変する。新型コロナの感染拡大で大会が相次いで中止になり、練習試合もできなくなった。「モチベーションを保つことが難しく、目標を見失いかけた」と振り返る。
 見失いかけた目標とは「オリンピックに出場して、いつか金メダルをとりたい」。試練を乗り越え、もう迷いはない。目標の実現に向けて新たな一歩を踏み出す。



吉田 埜愛さん(11) 松戸市立古ケ崎小学校5年

吉田 埜愛さん

全国少年少女レスリング選手権
女子5年33㌔級 優勝

昨年7月に開催された第39回全国少年少女レスリング選手権大会女子の部5年33㌔級で優勝し、「初めての優勝が全国大会だったので、うれしかった」。妹の玲衣さん(10)も4年33㌔級で準優勝を飾った。
 得意技は足首にタックルを決める「ローシングル」。相手の両足首を固めて「アンクルホールド」から得点することもできる。全4試合で失点1。決勝も10―0でテクニカルフォール勝ちと会心の勝利だった。
 レスリングを始めたのは小学2年。玲衣さんの方が積極的で、「妹がやるなら私もという感じでした」。父親の愁人さん(37)は、レスリングを始めてからの変化について「自分から行動できるようになった」と心の成長を喜ぶ。
 コロナ禍で3年生、4年生と全国大会は中止。練習ができなかった間も、自宅でトレーニングを続けた。筋力強化のための「ロープ登り」。大工の祖父がリビングの天井にロープを取りつけてくれた。
 好きな選手は、東京五輪のレスリング女子50キロ級で金メダルを獲得した松戸市出身の須﨑優衣選手。「タックルが早くて、かっこいい」と思った。先月の天皇杯全日本選手権でも圧勝した須﨑選手をスタンドから観戦し、刺激を受けた。
 将来の目標は「オリンピックで金メダルをとることです」ときっぱり。「妹と2人でとれたらいいなと思います」
 今月28、29日の全国少年少女選抜レスリング選手権大会に出場する。夏の選手権でベスト8以上の5、6年生が競う大会で「2冠」に挑む。

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