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朝日スポーツキッズ 2025年1月の話題
朝日スポーツキッズが選んだ
2024ベストアスリート3
2024 ベストアスリート3
朝日スポーツキッズは、東葛地域の小中学生アスリートから年間優秀選手3人を選出し、表彰している。2024年の「ベストアスリート3」が決まった。記念のメダルを贈り、栄光の軌跡をたどるとともに夢や目標などを聞いた。
佐藤 汰樹さん(14) 松戸市立栗ケ沢中学校3年

全国中学生弓道大会 個人男子の部で優勝
昨年8月の第21回全国中学生弓道大会(東京)個人男子の部で優勝し、技能優秀者に選ばれた。弓道は自分との戦い。不安や緊張を乗り越え、つかみ取った栄冠だった。
7月の県大会優勝後の練習では、全国大会を意識するあまり的を外すことが多く、不安を抱えたまま本番を迎えた。予選は4射2回の計8本を放ち、5本以上の的中者が決勝に進出する。5射目を終えて的中2本と追いつめられながら、3射連続で28㍍先の直径36㌢の的を射抜いてみせた。
実は自信があった。1回目の4射終了後、指導者の奥田繁樹さんから「少し引きが足りない」とアドバイスをもらい、矢が的の下方に落ちてしまう原因がわかったからだ。継続的中数を競う決勝では、3射連続的中で頂点に立った。
優勝が決まった瞬間、喜びとともにこみ上げてきたのは、指導してくれた人たちへの感謝だった。「礼儀とか、生きる上で大切なこともたくさん教えてもらいました」
3人兄弟の末っ子。兄二人も栗ケ沢中の弓道部で活躍した。道着で弓を引く凛とした姿にあこがれ、小学5年生のころには「僕も入ろう」と決めていた。
水曜を除く週6日、学校内や松戸運動公園の弓道場で練習し、オフの水曜も筋力トレーニングを欠かさなかった。「日々の努力の積み重ねで、どんどんうまくなる」のが楽しかった。
今後の目標や夢を尋ねると、こんな答えが返ってきた。「一生、弓道を続けていきたい。いつか、二人の兄と一緒に道場に立ってみたいですね」
弓道は生涯の友――。そう思えるぐらい、魅力のある競技なのだろう。
>古市 せらさん(14)野田市立第一中学校2年 野田レスリングクラブ所属

レスリングU15アジア選手権 女子39㌔級優勝
タイで昨年7月に開催された、レスリング「U15アジア選手権」女子39㌔級で、強豪を下し、見事初優勝を果たした。準決勝では、カザフスタンの選手にテクニカルフォール勝ち。そして決勝。インドの選手を相手に、フォールで栄冠を手に収めた。「決勝の相手は力が強く、焦ったけど、緊張せずに普段通りの力を出しきり、楽しめました」と笑顔で振り返る。
昨年は国内の3大会でも優勝した。いずれも前回大会で準優勝と悔しい思いをしていた。躍進の始まりは4月のジュニアクイーンズカップ(U15)。「負けたらレスリングを辞める。絶対勝つ」。強い思いで、自分を鼓舞した。決勝は「自分らしい動き」で、勝利をつかんだ。その勢いのまま、各大会で優勝を重ねた。
2人の兄の影響で、4歳の時に野田レスリングクラブへ入団。幼い時から負けず嫌いで、勝った時の喜びを知り、レスリングの虜に。
週6日、1日3時間、高校生との練習やクラブでの練習に汗を流す。特に強みのタックル強化のため、筋力トレーニングに力を入れる。7・5㌔の重りをつけて、足を使わずに行う綱登り5本のメニューは欠かさない。
手にした優勝メダルは30個以上。「今年もまずはクイーンズカップで優勝して、アジア選手権の連覇を目指します」。勢いは止まらない。
石田 英優さん(15)松戸市立小金中学校3年 柿の木台スケルマ所属

全国中学生フェンシング選手権 男子エペ個人戦優勝
昨年7月の「第10回全国中学生フェンシング選手権大会」男子エペ個人戦で、初優勝を飾った。1年生の頃から出場してきた大会。決勝は、前回覇者の日浦維吹選手(総武フェンシングクラブ)を相手に、15―13の僅差で勝利した。「日浦選手とは何度も戦ってきた。友だちでもあるし、良きライバルです」と話す。
テレビで見たフェンシングに憧れ、小学4年生の時、松戸市にある柿の木台スケルマに入団した。「できなかった技ができるようになったり、勝てなかった相手に勝ったりした時の達成感がいい」と、フェンシングの魅力にはまった。
中学入学後、フルーレからエペに転向。第8回大会覇者の埋橋匠選手(現・星槎国際高校川口)と、共に練習する機会も得て、力が伸びた。「互いに頑張ろうと鼓舞しあい、自分のスキルも上がった」という。
普段から体を動かすことは欠かさない。楽しんで練習すること、モチベーションを保つことを意識している。エペの特徴は、選手同士の駆け引き。「考えているとタイミングが遅れる。体が自然と反応できるように練習している」
今年は「世界大会でメダルを獲りたい」と意気込む。将来の目標は「オリンピックに出ることです」と力強い。